28年間勤務した山香病院を退職後しばらくブランクがありましたが、毎週月曜日肝臓専門外来を開設して多くの患者さんが戻ってきて下さり楽しく外来診療ができています。
長らく肝臓病の中心はウイルス性肝炎(主としてB,C型肝炎)でした。以前はインターフェロン注射が主体でしたが、今では優れた経口抗ウイルス薬が開発されC型肝炎ウイルスは12週間の内服(最短は8週間)にてほぼ100%体内より排除できます。B型肝炎ウイルスも体内より排除は困難ですがウイルスの増殖を抑制でき病気の進行を抑える事が可能になりました。
最近増えているのは脂肪肝です。肥満や糖尿病等生活習慣に起因して発症します。一部は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)状態になり、肝硬変や肝臓癌に進行します。アルコール性肝障害、薬剤性肝障害、中高年女性では免疫異常に起因した肝臓病(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎(PBC))も要注意です。
肝臓は沈黙の臓器にて自覚症状もないことも多く、健診異常の指摘された時には早期の受診が必要です。気軽に御相談してください。
名誉院長